ゴミ屋敷は精神疾患が関係していることも？病気の種類や対処法を解説
本記事では「精神疾患との関係」「ゴミ屋敷を生みやすい心理」「本人と家族が利用できる支援先」という3つの視点から、原因や向き合い方を解説します。
ゴミ屋敷は、単に本人のだらしなさや片付けができない性格などが原因と考えられがちですが、実際には精神的な不調や病気など、さまざまな要因が複合的に関係しているケースも多く見られます。
本人ができる対処法や周囲からのサポートのコツ、支援窓口なども紹介しているので、生活環境の改善に役立ててください。
※本記事では医療的診断・治療を目的とするものではありません。
目次
ゴミ屋敷の原因になりやすい主な精神疾患・障害
ゴミ屋敷化が進む背景には、個人の生活習慣や考え方だけでなく、精神疾患や精神障害が影響している可能性があります。
原因になりやすい主な病気や障害について解説します。
ためこみ症（ホーディング障害）
ためこみ症（hoarding disorder）は、一般的には不必要と思われる物を過剰にためこみ、「手放す」「捨てる」といった行為に強い苦痛や不安を感じるのが特徴です。
以前は、強迫性障害のひとつとされていましたが、現在では独立した精神障害として規定されています。
新聞やチラシ、雑誌、レシートなどの紙類や空き缶、衣類など、さまざまな物を大量にためこむ事例が多く見られ、長期的には居住スペースが埋もれてしまい、ゴミ屋敷化する可能性があります。
出典：日本医事新報社
強迫性障害（OCD）
強迫性障害とは、強い不安や恐怖感に伴う脅迫観念と、それらを打ち消すための脅迫行為の繰り返しにより、日常生活に支障を来す精神疾患です。
汚染への不安から過剰に手洗いを繰り返すといった行為などが典型例として見られますが、「大事な物を捨ててしまったらどうしよう」といった脅迫観念からゴミを捨てられなくなり、不要な物をためこむケースも見られます。
また、日常的な脅迫行為により掃除や片付けには手が回らなくなり、部屋が散らかってしまうケースも見られ、結果的にゴミ屋敷化する可能性があります。
出典：OCDサポート公式サイト
うつ病・双極性障害（躁うつ病）
うつ病は、意欲や判断力の低下、気分の落ち込み、疲労感、無気力などにより、思考力や活動性が低下しやすい精神疾患です。
双極性障害は、躁状態とうつ状態を繰り返す疾患で、抑うつ状態ではうつ病と類似した症状が見られます。
こうした症状から、掃除やゴミを捨てるなどの日常的な作業への気力がわかずに生活環境が荒れてしまい、結果的に物が増えて積み重なり、ゴミ屋敷化しがちです。
一人暮らしでサポートがない場合にはセルフネグレクトに陥りやすく、ゴミ屋敷化の要因になるとの指摘もあります。
認知症
認知症や若年性認知症により、記憶力や判断力、認識力が低下すると、ゴミの分別や処理なども難しくなります。
今何をすべきか、どのように物を管理すべきかの判断が困難になり、不要物をためこんだり、ゴミを捨て忘れたりしがちです。
認知症が進行するとゴミをゴミとして認識できなくなったり、場合によっては「誰かに盗られるかも」といった不安や誤認から、物を手放すことに強い抵抗感を示したりする例も見られます。
衛生観念や判断力の低下により、セルフネグレクト状態を招く可能性があり、自宅がゴミ屋敷化するケースもあると指摘されています。
統合失調症
統合失調症とは、思考や感情、行動を統合する能力に障害が発生することにより、現実との区別がつかなくなったり、意欲や感情表現が低下してしまったりする精神疾患です。
幻覚や妄想、認知の歪み、社会的な孤立などにより生活環境の乱れに気づきにくく、整理が困難になるなど、自己管理が低下してゴミが蓄積してしまうケースが見られます。
実際に、統合失調症の一部症状として、ゴミや物をためこみ、片付ける能力が低下するケースも挙げられます。
統合失調症患者のすべてがゴミ屋敷化するわけではありませんが、サポートにあたる家族のいない環境や持病の悪化などの要因が重なると、ゴミ屋敷になる可能性も否定できません。
発達障害（ADHD・ASDなど）
発達障害とは、先天的な脳機能の特性により幼少期から日常生活に困難が生じる状態の総称です。
代表的な症状としては、注意欠陥や多動症（ADHD）、自閉症スペクトラム症（ASD）が挙げられます。
ADHDの方は物の管理や整理が苦手な傾向にあり、計画的な片付けを困難とするケースが見られ、ASDの方は特定の対象に興味が集中しやすく、物の収集に強いこだわりを示すケースが見られます。
個人差はあるものの、これらの特性により部屋が散らかりやすく、物がたまりやすい傾向です。
生活空間の整理整頓が難しいため、ゴミ屋敷化しやすいと考えられます。
出典：OCDサポート公式サイト
ADHDの特徴や、ゴミ屋敷解消のための方法についてまとめた記事も参考にしてください。
買い物依存症
買い物依存症とは、衝動的に物品を購入してしまう症状を指します。
医学的に正式な診断名が付いているわけではありませんが、例えば借金をしてでも、ストレス発散や快楽を得るために買わずにはいられなくなる状態で、行動の依存症（プロセス依存）の一種として問題視されています。
買い物依存症の方は必要以上に物品を購入してためこむため、部屋が物であふれやすくなる傾向です。
なかには、未開封の購入品が山積みになり、足の踏み場がなくなるといったケースも珍しくありません。
このような状況から、生活空間に物やゴミが蓄積し、ゴミ屋敷化しやすい症状であることも認識されています。
出典：東洋経済
セルフネグレクト（自己放任）
セルフネグレクトとは、自身の健康や衛生面、生活環境の維持を怠る、自己放任の状態を示します。
清掃や片付け、ゴミ出しをしなくなるなど、基本的な生活ニーズをまったく顧みなくなる状態で、環境が不衛生になり急速に状況が悪化していきます。
具体的には、食事や入浴をしない、必要な医療や介護サービスも拒否するといった具合です。
自宅の管理もなされず、ゴミや食器、衣類などが不衛生な状態で放置される例も報告されています。
高齢者や孤立した人に多く見られる症状で、ゴミ屋敷化の直接的な原因となるため、厚生労働省でも問題視されています。
出典：厚生労働省公開資料
セルフネグレクトについての関連記事もご覧ください。
アルコール・薬物などへの依存症
アルコールや薬物への依存症は、日常生活の乱れや判断力・意欲の低下につながるものです。
自身で摂取量や頻度を制御できなくなり、症状が進行すると禁断症状などで健康や社会生活に深刻な影響をもたらします。
依存度が高まることで日常的な家事や清掃がままならなくなるほか、生活習慣の乱れから金銭的な問題や社会的孤立に発展し、さらにはゴミや不用品の放置につながるケースも見られます。
出典：厚生労働省
ゴミ屋敷を生む心理とは？
ゴミ屋敷化してしまうケースではどのような心理状態にあるのか、詳しく見ていきましょう。
「もったいない」と感じて捨てられない
実際には使っていない物や使えなくなった物でも「いつか使うかもしれない」「まだ使える」「もったいない」などといった思いが強く、処分できない人がいます。
例えば、サイズが小さくなって着られなくなった服や、買い替え前の古い家電などを捨てられずにためこむケースです。
捨てることや手放すことに強い抵抗感をもつため、処分できずにためこんで物が増え続け、次第にゴミ屋敷化していきます。
「捨てたら後悔するかも」という不安
使わずにしまいこんでいるような物でも、「捨てたら後悔するかも」などと考え、手放せずにためこむ人がいます。
過去に、捨てて後悔した経験がある方に多く見られる心理状態です。
捨てることが損失や後悔につながるといった不安や思い込みが、捨てづらさに直結しています。
物の所有で思い出や安心感を得ている
物の所有に思い出や安心感などが結びついていると、捨てること、手放すことに強い抵抗を感じることがあるでしょう。
旅行先で買った物やもらい物などを捨てることを、記憶も一緒に捨ててしまうように思い込み、不安が増すケースも見られます。
過去の経験や思い出の詰まった物を「安心感を与えてくれる存在」として捉えているため、処分する際は心理的に大きな負担となってしまいます。
完璧主義的・理想主義的な考えが強い
整理整頓や無駄をなくしたいなど、高すぎる理想をもつ人には、かえって片付けられなくなるケースが多く見られます。
「完璧にすべてを片付けなければ意味がない」といった思考で、自ら取り組みへのハードルを高めてしまいがちです。
高い理想がプレッシャーとなり、片付けや掃除が苦痛になり放置してしまいます。
汚れや乱れを「見ないふり」してしまう
散らかったりゴミがたまったりしている状況を把握していながら、見ないふりをして先送りする方がいます。
例えば、ソファーに衣類や本などが積み重なり、座るスペースがなくなってもそのまま放置してしまうといったケースです。
先延ばしにして乱れが蓄積し、手を付けられない状況になっても「あとでやろう」などと放置していれば、ゴミ屋敷化してしまいます。
自己否定感・無力感が強い
「自分には無理」「どうせ片付けられない」などといった自己否定感や無力感が強いと、掃除も整理整頓も取り組む前に諦めてしまいます。
過去に片付けの途中で挫折したような経験があると、同じような場面で否定的な考えを抱きがちです。
強い疲労感やストレスがたまっている状態でも自己肯定感が低下しがちで、生活環境の維持が難しくなります。
ストレスや孤独を感じている
ストレスや孤独感を抱えていて、その寂しさを埋めて安心感を得るために物を集める人がいます。
片付けや整理整頓への気力がない状態で雑多な物を集めるため、居住空間が乱れやすくなる傾向です。
部屋が乱雑になるとさらにストレスや孤独を感じやすくなるため、悪循環となりゴミ屋敷化しやすくなります。
人に見られたくない・助けを求められない
散らかった部屋をなんとかしたいものの、恥ずかしくて人に見られたくない、誰にも相談したくないといった状況に陥るケースです。
深刻な状況でも助けを求められずに、悪循環でゴミ屋敷化していくケースも珍しくありません。
高齢者や家族に見られるゴミ屋敷化する人の特徴
高齢者やその家族に多く見られる、ゴミ屋敷化する人の特徴を解説します。
認知機能や判断力が落ちている
年齢とともに認知機能や判断能力が低下し、不要物の判断が難しくなり、ゴミや不用品をためこみやすくなります。
認知症になれば、ゴミなのか不要品なのか、処分への判断やタイミングの見極めも難しくなるでしょう。
「まだ使える」「もったいない」といった思いも強くなり、物が増える傾向も見られます。
体力が落ちて片付けが負担になる
高齢になると体力的にも気力的にも、片付けが大きな負担となるものです。
自身での対処が難しくなると、作業もより億劫になり、生活環境が乱れたまま放置されがちでゴミ屋敷化しやすくなります。
孤立して誰にも頼れない
家族や友人、近隣の住民などとの交流が少ないことから、誰にも気づかれずにゴミ屋敷状態となるケースが見られます。
特に独居の高齢者や家族関係が希薄なケースでは助けがなく、手入れも追いつかずに住環境が悪化しやすいでしょう。
もったいない精神や執着心が強い
「もったいない」「いつか使える」といった考えが強い方は、物を手放しにくく、ためこむ傾向にあります。
物を大切にすることを美徳とし、捨てるのは罪とするような強い思いが定着しており、処分や手放すことを妨げます。
家族との関係が悪化している
家族との関係性が悪いと、自身の生活環境の維持がおろそかになる傾向が見られます。
家族からのサポートが得られない場合は、ゴミ屋敷状態でも放置されやすいといったリスクもあります。
ゴミ屋敷を放置するリスク
大量の生活用品や不用品などがためこまれたゴミ屋敷をそのまま放置していると、他方面にわたるリスクが高まります。
物が崩れてケガをする危険性がある
雑多な物品が家中に蓄積して何がどこにあるかわからないような状態では、倒壊や落下、転倒、圧迫などによるケガのリスクが高まります。
特に高齢者や体力が低下している方は、重大な事故につながる可能性があります。
健康被害が出る可能性がある
ゴミ屋敷は不衛生な環境でホコリやダニ、カビ、害虫、害獣などが発生しやすく、呼吸器系疾患やアレルギー、感染症を発症するなど、健康被害を及ぼす可能性があります。
掃除や換気がなされずに、菌やウィルス、臭いが充満するなど、さらなる住環境の悪化も懸念されます。
近隣の住民とのトラブルになる恐れがある
不衛生な状態が放置されることによって、臭いや害虫、景観の悪化などから近隣住民とのトラブルに発展するケースが多く見られます。
ゴミ屋敷が社会問題化している背景には周辺住民への悪影響があり、苦情や行政介入の原因になるため注意が必要です。
火災が発生する可能性がある
ゴミ屋敷は多くの物に埋もれたような状態で、火災の発生や延焼もしやすく、放火の対象となるリスクもあります。
家の中で火災が発生した場合は、物が多すぎて気づきにくいため危険度も増します。
消防や安全面から見ても、非常に危険性が高いと言えるでしょう。
震災時に逃げ遅れる危険性が高まる
ゴミ屋敷は物で埋め尽くされており、万が一の震災や災害発生時に逃げ遅れたりケガをしたりする恐れがあります。
特に高齢者や障害がある方には致命的なリスクとなる可能性も否めません。
住宅が劣化し倒壊する危険性が高まる
ゴミ屋敷では住環境の管理が行き届かないことから、構造体への負荷に加え、湿気やカビ、害虫・害獣などの発生により家全体の劣化が進みやすくなります。
環境の悪化が進めば、家屋倒壊のリスクも高まります。
家族関係の悪化で孤立が進む可能性がある
ゴミ屋敷化することで家族や友人との関係が悪化し、孤立が進む可能性があります。
関係が途絶えれば助けを求めにくくなり、より孤立が深まるでしょう。
セルフネグレクト（自己放任）から孤立死につながる可能性がある
ゴミ屋敷で生活力が低下している場合、健康管理もままならず、病気やケガも悪化しやすくなります。
最悪の場合「孤立死」につながる可能性も否めません。
セルフネグレクトは本人の意思や努力の問題ではなく、心理的ストレス・精神疾患・身体の衰え・社会的孤立など複数の要因が重なることで起こりうるものです。
早めに相談できる相手や支援先とつながることで、生活を立て直すサポートを受けられる場合があります。
強制撤去により住むところを失う可能性がある
地域の制度や状況によって異なりますが、ゴミ屋敷化して近隣トラブルに発展したり、行政が介入したりすれば、強制撤去となる可能性もゼロではありません。
住居を失うこととなれば、非常に大きな打撃となるでしょう。
ゴミ屋敷の行政代執行については、以下の記事で詳しく解説しています。
精神疾患・病気への本人ができる対処法
ゴミ屋敷化にも影響を及ぼす可能性のある精神疾患や病気に対して、本人ができる対処法を紹介します。
どう対処すべきかを医療機関に相談する
ゴミ屋敷化している状況などを伝え、直面している問題に対してどう対処すべきか、まずは精神科や心療内科を受診して専門医に相談しましょう。
例えば、ためこみ症やうつ状態、強迫障害などが疑われるケースでは、専門的な診断と治療を要します。
自分の状況を理解することにより、改善のための道筋も見えてきます。
行政や支援機関に相談する
自身での対処が難しい場合は、自治体の福祉担当課や地域包括支援センターに相談してみましょう。
生活支援や福祉サービスの紹介のほか、状況によってはゴミ出し支援などを受けられる可能性もあります。
信頼できる人や窓口に悩みを相談してみる
家族や信頼できる友人、地域の相談窓口の担当者などに、現在の状況や気持ちを伝える方法があります。
一人で抱え込むことをやめると孤立感が和らぎ、解決の道を模索しやすくなります。まずは相談してみましょう。
できる範囲の生活環境の改善に少しずつ取り組む
いきなり完璧を求めるのではなく、少しずつ無理のない範囲でコツコツと取り組むことが大事です。
「今日はこの棚だけ」など、小さな目標を設定して取り組むと心理的負担を減らしつつ達成感も得られ、生活環境の改善に役立ちます。
専門業者や福祉サービスの力を借りる
体力的、精神的に片付けが難しい場合は、粗大ゴミ回収業者や清掃サービス、福祉サービスなど、プロに依頼するのも一案です。
専門業者に依頼すれば、体力や心理的負担なしで安全かつ迅速に環境を整えられます。
ゴミ屋敷の片付け業者に依頼するのが恥ずかしいと感じる方は、こちらの記事もご覧ください。
家族や周囲がサポートするときの関わり方
ゴミ屋敷化してしまった場合、家族や周囲からのサポートはどのようにすればいいのか、正しい関わり方について解説します。
安全面の確保を最優先にする
まずは本人や周囲の安全を最優先にして進めることが重要です。
崩れやすい物や通路を塞いでいる物、不衛生な環境から改善していきましょう。
否定したり叱ったりせず共感的に寄り添う
「どうしてこんな状態になるまで放置したの」「片付けなさい」など、否定したり叱ったりする行為は、相手を追い詰めてしまうため避けましょう。
状況を改善するためには、「片付けるのは大変だよね」「手伝うから一緒にやってみようか」などといった、共感して寄り添う姿勢が重要です。
相手の気持ちやペースを尊重する
本人にも「ゴミ屋敷をなんとかしたい」といった気持ちがあるかもしれません。
無理強いをせずに本人の気持ちを尊重しつつ「できること」「やりたいこと」から始めると効果的です。
小さな変化を認めて励まし、少しずつ改善していきましょう。
無理せずできることから一緒に取り組む
家族や友人が一緒に作業に取り組むと、本人の心理的、体力的負担が軽減されます。
「今日はこのエリアだけ」などと範囲を決めて小さな達成感を積み上げていきましょう。継続しやすいペースで予定を組むと、取り組みやすくなります。
必要に応じて専門家や支援機関につなぐ
本人や家族だけでゴミ屋敷の片付けを進めるのが難しい場合は、必要に応じて医療機関や福祉サービス、専門業者などが提供するサービスの利用も検討しましょう。
適切な外部支援の活用が、居住環境の改善に向けた大きな力になります。
家族だけで抱え込まず相談窓口を活用する
本人や家族だけで悩みを抱え込まず、地域包括支援センターや社会福祉協議会、地域包括支援センター、民生委員、医療機関なども積極的に活用しましょう。
第三者の視点や支援が、解決への糸口となるケースもあります。
ゴミ屋敷の支援方法についてまとめた記事も参考にしてください。
ゴミ屋敷の片付け・回復を支える相談先・支援先
ここまで紹介したように、本人の努力だけでの改善は難しい場合もあります。次に、支援を受けられる窓口を紹介します。
自治体や地域ごとに、ゴミ屋敷問題を改善するための相談先や支援機関があります。
サービス内容はそれぞれに異なるため、詳細についてはお住いの市区町村で確認してください。
行政の相談窓口（自治体・保健所・地域包括支援センター）
行政の相談窓口として、以下のようなサービスが挙げられます。
- 自治体の福祉担当部署
- 保健所
- 地域包括支援センター
上記の窓口では相談やカウンセリングのほかに、生活支援や医療支援、経済的支援などを提供しています。
例えば、足立区では平成24年度にゴミ屋敷に関する相談窓口「生活環境保全課ゴミ屋敷対策係（電話：03-3880-5410）」を設置、翌年には全国初となるゴミ屋敷に特化した「足立区生活環境の保全に関する条例」を公布しました。
具体的には、「要支援者が抱える要因」と「環境・社会的要因」の両面からのアプローチで独自の「足立区モデル」を確立、関係機関が連携してゴミ屋敷問題に積極的に取り組んでいます。
支援の条件や内容は地域ごとに異なるため、詳しくは担当部署でご確認ください。
医療・心理の専門機関（精神科・心療内科）
精神疾患や心理的な問題によるものと考えられるケースでは、精神科や心療内科などの専門機関への相談をおすすめします。
医療機関と福祉サービスとの連携によるサポートを受けられるケースもあります。
福祉・支援団体（社会福祉協議会・NPOなど）
地域の社会福祉協議会やNPO、ボランティア団体などで、支援を受けられる場合があります。
社会福祉協議会では、住環境改善支援や生活福祉資金の貸付、相談窓口などがあるほか、ゴミ屋敷問題に取り組むNPOや地域の支援団体もあります。
片付け支援や地域での見守りなどを行っている団体もあるため、活動内容や信頼性を確認しながら検索してみてください。
専門業者（清掃・片付け代行業者など）
ゴミ屋敷を効率的に片付けたいときは、専門業者の検討をおすすめします。
不用品やゴミの分別はもちろん、室内のクリーニングや害虫駆除などを含めて対応してもらえるサービスもあります。
専門業者への依頼により、安全かつ迅速に生活環境を整えることが可能です。
まとめ｜精神疾患が背景のゴミ屋敷は片付けより“心のケア”が大切
ゴミ屋敷の問題には、精神疾患や病気が影響しているケースが珍しくありません。
単に怠けているのではなく、精神的な問題や心理的負担、身体的・社会的要因が潜んでいる可能性もあります。
本人だけでは対処が難しいケースもあり、周囲の理解を含めた心のケアやサポートも重要です。
家族や周囲の人がサポートする際は、否定や非難、責めることは避け、共感して寄り添いながら支えていきましょう。
ゴミ屋敷を迅速に片付けたいときは、必要に応じて片付け業者の利用も検討しましょう。
「粗大ゴミ回収隊」も候補の1つとして、状況に合わせて比較しながら選ぶと安心です。
「片付け」と「心のケア」を並行して進めることで、再発を防ぎながら生活環境を整えやすくなります。
困ったときは、行政窓口・医療機関・福祉サービスなど、利用できる支援は多くあります。
ひとりで抱え込まず、信頼できる相談先を活用しながら、無理のない範囲で進めていきましょう。
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ゴミ屋敷と精神疾患の関係性についてのよくある質問
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Q ゴミ屋敷が精神疾患と関係している場合、片付けを頼むタイミングはいつですか？
A.精神的な負担が強く、自力で生活環境を整えられない状態が続くときは依頼を検討できます。
心身の安全が損なわれている場合は、片付けと並行して医療・支援機関のサポートを受けることも重要です。
悪化を待つ必要はなく、早い段階で環境改善に動く方が負担が少なくなります。
業者に相談することで、片付けを段階的に進める計画も立てやすくなります。 -
Q 自分だけで片付けるのが難しい場合、どこに相談すればよいですか？
A.まずは自治体の相談窓口や地域包括支援センターで状況を伝える方法があります。支援制度や福祉サービスを紹介してもらえるケースがあります。精神的な問題が疑われる場合は医療機関と連携した支援が受けられることもあります。安心して頼れる専門業者への依頼もひとつの選択肢です。 -
Q 家族が精神的な理由で片付けられない場合、業者に依頼しても良いのでしょうか？
A.家族だけで抱え込むと負担が大きくなるため、必要に応じて専門業者の力を借りても問題ありません。
安全確保や生活環境の改善は、家族の精神的安定にもつながります。
本人が作業に参加できないときは、同意の得方や進め方を相談しながら調整できます。
第三者が関わることで、家族関係の摩擦を減らす効果も期待できます。 -
Q 精神的な病気があっても、不用品回収を依頼できますか？
A.もちろん依頼可能です。体力面や心理面の負担を最小限にして、安全に片付けを進められるのが業者の強みです。状況に配慮しながら作業を進めると、安心して環境を改善できます。 -
Q ゴミ屋敷の片付けを、周囲に知られないように対応してもらえますか？
A.プライバシーに配慮した作業が可能です。ご近所への説明が不要な形で、迅速に作業を進められます。深夜や早朝など、目立ちにくい時間帯の相談にも応じられる場合があります。 -
Q 害虫やカビが発生している家でも対応してもらえますか？
A.重度のゴミ屋敷であっても、専門知識のあるスタッフが適切に対応します。必要に応じて害虫駆除や消臭、クリーニングまで一括サポートが可能です。衛生面におけるリスクを抑えつつ、住環境を改善します。早めのご相談をおすすめします。
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