この記事では、高齢者宅のゴミ屋敷についてまとめています。ゴミ屋敷は一人暮らしの若者が作りがちなイメージもありますが、実は高齢者がゴミ屋敷を作る割合も同様に高いです。

なぜゴミ屋敷を作ってしまうのか、主な原因とともに対処法や注意点をあわせて解説します。ゴミ屋敷を放置するリスクについても説明するため、自宅のゴミ屋敷を解消したい方、高齢者が快適に過ごせるようサポートしたい方は参考にしてください。

高齢者の家がゴミ屋敷になる原因5選

高齢者の家がゴミ屋敷になる主な原因を5つ紹介します。若者がゴミ屋敷を作る原因と共通のものだけでなく、高齢者特有の原因もあるため把握しておきましょう。

身体能力の衰え

高齢者は加齢によって徐々に筋力が低下するため、身体能力にも衰えが出てきます。

そのため、これまで行ってきた掃除やゴミ出しが思うようにできなくなり、手伝ってくれる人が周囲にいない場合は家がゴミ屋敷化するケースもあります。

一人で外出できないほどに身体能力が衰えている場合は、普段の生活を快適に過ごすためにも家族に助けてもらう、介護サービスを利用するなどの対策が望ましいです。

病気による行動の制限

病気によって行動に制限がかかっている場合も、掃除やゴミ出しができず家が徐々にゴミ屋敷化してしまいます。

身体能力の衰えと同様、自力での移動が困難な場合には周囲に支援をお願いして、ゴミ処分や日常生活を助けてもらうことが重要です。

ゴミ屋敷になって不衛生な環境下で生活を続けると、病状が悪化する恐れもあります。

認知症による片付け能力の低下

高齢者の中には認知症の症状が見られる方もいますが、認知症はゴミ屋敷を作り出す大きな要因ともされています。

認知症によって「ゴミをいつ捨てたのか」「この品目は捨てるべきなのか」などの記憶力・判断力が低下するため、部屋が片付けられずにゴミ屋敷化が進行してしまうのです。

自治体の定期的なゴミ収集の日も曜日を忘れることで逃してしまうケースが多く、周囲が教えてあげなければ問題は解決できません。

認知症の高齢者は掃除だけでなく、生活においてもあらゆるリスクが考えられるので一人で生活することは危険です。

強い孤独感による物のためこみ

配偶者がいない、子供が実家を出ているような状態では、強い孤独感を抱える高齢者も多いです。

この孤独感を埋めるために、明らかにゴミだと分かる物でも捨てられずにためこんでしまう人が出てきます。

ゴミだと分かっていても捨てられない、このジレンマを抱えたままいつの間にか部屋がゴミ屋敷化してしまうのです。

精神疾患

高齢者に限った話ではないですが、ストレスなどの要因で精神疾患を抱えた人はためこみ症やセルフネグレクトによってゴミを捨てられなくなってしまいます。

精神疾患を克服しなければゴミの対処が難しく、また不衛生な環境は症状悪化を助長するため、周囲が協力して回復に努めることが重要です。

高齢者の家をゴミ屋敷にしないための対処法

高齢者の家をゴミ屋敷にしないためには、以下のような対処法があります。自身はもちろん、家族や知人に高齢者がいる方は参考にしてください。

周囲が協力して掃除を手伝う

自身に片付ける気持ちがあっても、足腰の低下や病気によって思うように動けない高齢者も多いです。その場合は、家族や知人などの周囲が協力してゴミ屋敷解消を支援してあげましょう。

部屋から重い物を運び出す、本人の手が届かない場所を掃除するなど、人手があるだけでも作業効率は大きく変わります。

無理に一人で作業を進めて怪我をするリスクも軽減できるため、積極的に周囲が協力して改善を目指してください。

自治体の支援制度を活用する

自治体によっては、一般ゴミを収集所まで運搬するのが困難な高齢者のために「高齢者ゴミ出し支援制度」を設けている地域があります。

担当者がゴミ出しをサポートしてくれるため、ゴミ袋にさえゴミをまとめておけば以降の作業をまかせられます。

足腰が弱い、または病気等の事情で外出できない高齢者でも、この制度を使えば普段のゴミ処分は安心です。

制度の利用にあたって事前の訪問や面接が必要な自治体もあるため、詳細については要確認です。

支援制度について詳細を知りたい方はこちら！

掃除が困難なケースは片付け業者に依頼する

不要な大型家具が屋内を圧迫している、汚れやカビを自力で綺麗にできないなど掃除が困難なケースは、片付け業者への依頼をおすすめします。

ゴミ屋敷清掃やハウスクリーニングに幅広く対応している業者であれば、ゴミ屋敷一歩手前の汚部屋でも問題なく作業可能です。

大型家具やその他不用品回収サービスも提供しているため、掃除とともにいらない品目を処分できます。

依頼の際は費用が相場に見合っているか、利用者からの評判がよいかなどを調べた上で業者選びを進めましょう。

お得な費用でサービスを提供する片付け代行業者は、こちらの記事も参考にしてください。

高齢者のゴミ屋敷掃除を手伝う場合の注意点

高齢者一人ではゴミ屋敷掃除にも限界があるため、自力解決には周囲の協力が必要不可欠です。周囲がゴミ屋敷掃除を手伝う場合の注意点をいくつか紹介します。

作業を勝手に進めてトラブルを起こさない

高齢者のゴミ屋敷を手伝う時に懸念すべきなのが、作業中のトラブルです。特に本人が認知症を患っている場合、家の掃除を勝手に進められることを極端に嫌う方もいます。

また、ゴミだと思って片っ端から捨てた物の中に、大切な品目が紛れていてトラブルに発展するケースもあります。

作業を勝手に進めると揉める可能性も高いため、事前に説明して了解を得る、作業中も積極的にコミュニケーションをとるなど対処してください。

力仕事は高齢者に無理をさせない

重たい物を運搬するような力仕事、外までゴミを出してもらうなど体を動かす作業は無理をさせないように気をつけてください。

片づけ中のタイミングでも、ゴミに足を取られて怪我をするリスクは十分に考えられます。力仕事は無理をさせず、周囲の動ける人が率先して動きましょう。

何でも手伝ってしまうのは逆効果なケースも

力仕事は周囲の人が手伝ってあげるべきですが、高齢者が体を動かせる場合、手元のゴミ片付けや簡単な掃除作業はなるべく担当してもらうのが望ましいです。

どんな作業でも手伝ってしまうと、高齢者が掃除をする習慣を身につけられない要因にもなってしまいます。

何でも手伝ってしまうことは、今後を考えると逆効果なケースもあるため注意してください。

高齢者がゴミ屋敷を放置するリスク

高齢者がゴミ屋敷を放置すると、さまざまなリスクが懸念されます。ゴミ屋敷であれば誰もが背負うリスクではありますが、高齢者の場合は命に関わる重大な問題となるものもあります。

以下のリスクを把握して、自身や周囲の人がゴミ屋敷を作らないように対処していきましょう。

ゴミやホコリへの引火による火災

ゴミ屋敷は一般の家に比べて火災発生のリスクが高いです。

暖房器具の火がゴミやホコリに引火して燃え広がる、コンセントから飛んだ火花が引火するトラッキング火災など、不衛生な環境だからこそ油断できない環境になっています。

特にトラッキング火災はいつ発生するか分からないため、就寝中やゴミの多さで身動きが取れない時は大変危険です。

火災のリスクから身を守るためには、ゴミ屋敷を解消してゴミやホコリが溜まっていない環境を作るしかありません。

転倒による怪我

足の踏み場がないほどゴミが埋もれている部屋では、真っ直ぐ歩くことが困難で常にバランスを崩しながらの移動になります。

筋力低下で足腰が弱っている高齢者はこのような環境で転倒しやすく、怪我のリスクが非常に高いです。

転んだ先に大きな家具があると、身体や頭をぶつけて大怪我をする恐れもあります。

怪我のリスクを考えながら歩かなければならない状態は、早急に改善しなければなりません。

病気の発症・悪化

ゴミ屋敷はホコリや害虫が発生して悪臭も漂う、非常に不衛生な環境です。この環境に身を置き続けると、アレルギーや何かしらの病気を発症させる確率も高まります。

持病を持っている高齢者は病状を悪化させる恐れもあり、ゴミ屋敷に住み続ける限り状況の改善も難しいです。

心身ともに健康な状態を取り戻すためにも、ゴミ屋敷は放置せずに解消しましょう。

周辺住民との関係悪化

ゴミ屋敷は見た目・衛生環境ともに悪く、周辺住民にとっても悪影響です。ゴミ屋敷の放置が続くと、周辺住民との関係性も悪化していきます。

たとえゴミ屋敷を綺麗に掃除した後でも気まずい関係が続いてしまい、その家に住みづらくなるリスクがあります。

快適な生活は周囲と良好な関係を築いてこそ実現するため、ゴミ屋敷で周辺住民との関係性まで壊さないように気をつけてください。

孤独死の可能性を高める

火災や転倒、病状悪化といったリスクも踏まえて、ゴミ屋敷に住んでいる高齢者は孤独死の可能性を高めます。

見た目・悪臭ともにひどく人が寄りつかないレベルのゴミ屋敷になっていると、意識を失って倒れたとしても周囲に気づいてもらえず、そのまま亡くなってしまうケースが多いです。

高齢者のゴミ屋敷の放置は命にも関わる重大な問題のため、本人に片付ける意思や能力がなければ、周囲が率先して改善に乗り出さなければなりません。

ひどいゴミ屋敷は自分たちで対処できる範囲も限られてくるため、早めに片付け業者を呼んで対処してもらいましょう。

利用者からの評判がよいおすすめの片付け業者は、こちらの記事も参考にしてください。

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