2022年07月05日
近隣にあるゴミ屋敷からの悪臭や害虫に、法律で対処できるのかについて解説します。
この記事を読めば、ゴミ屋敷を強制撤去する方法が分かるようになるはずです。
ぜひ、近隣にあるゴミ屋敷の問題を解決したいと考えている方は、この記事を最後までお読みください。
記事の目次
近隣にあるゴミ屋敷からの悪臭や害虫に悩んだら、どのように対処していけば良いのでしょうか?
対処法を知るためにもゴミ屋敷に関する法律について理解を深めておきましょう。
民法とは、私たち人間の権利や義務の関係性をまとめた基本的な法律を指します。
民法にゴミ屋敷に関する内容が記載されていないため、部屋にゴミを貯めていても個人の自由が尊重されます。
したがって、近隣にあるゴミ屋敷からの悪臭や害虫に悩んでも、法的処置で強制撤去させることはできないのです。
警察には、民事不介入の原則という権利が定められています。
この権利は、ゴミ屋敷の住民と近隣住民で揉めても、警察は介入できないのです。
揉めた際に、相手が刃物で刺してきたなど暴力を振るわれた場合には、刑事事件として取り扱ってもらえます。
しかし、刑事事件として取り扱ってもらえても、取り締まるのは暴力に対してです。
ゴミ屋敷の問題を取り締まってくれるわけではありません。
ゴミが原因で警察が対応してくれるケースは、ゴミが公道にはみでている場合や、ゴミの中に不審物がある場合です。
そのような場合は、すぐに警察へ連絡して法的に対処してもらいましょう。
ゴミ屋敷の苦情を伝えても、状況が改善されないこともあるでしょう。しかし、住民の許可なく、勝手にゴミを片付けてはいけません。
その理由は、勝手にゴミ屋敷を片付けると「財産権の侵害」に該当して、損害賠償金が請求されてしまう恐れがあるためです。
ゴミ屋敷の住民が「大切にしていた物を無断で処分された」と主張すれば、法律で罰せられてしまうのです。
周囲からしたらゴミだと思うものでも、本人が財産と思っていれば、財産権の侵害に該当します。
そのため、無断で部屋にある物を勝手に処分しないようにしましょう。
ゴミ屋敷を放置しておくと「火災リスク」「空き巣リスク」「近隣トラブルのリスク」が起きます。
そのため、一部の自治体では「ゴミ屋敷に関する条例」を制定して問題解決に取り組んでいます。
条例が定められている自治体では、以下のような取り組みが行われています。
さまざまな取り組みがされていますが、近隣住民から被害の報告がなければ、自治体は基本的に動いてくれません。
そのため、いつか誰かが解決してくれるとは思わずに、トラブルに悩んでいたら相談窓口へ問い合わせてみてください。
早ければ早いほど、行政代執行までの道のりは近くなります。
2015年に京都市で、自治体によるゴミ屋敷の強制的な片付けが行われました。
本人に対して60回程度の注意喚起を呼び掛けたものの従わなかったため、自治体が片付け業者を手配して強制的に片付けられたのです。
片付け業者は自治体が手配していますが、費用はゴミ屋敷の住民が負担しなければいけません。
費用が高額になると、数十万円から数百万円になることも。自治体で規定された金額が加算されていくので、専門業者に依頼するより高くなります。
行政代執行になった場合の、以上のような高額な臨時出費を支払わなければいけなくなります。
また、この事例から分かるように、行政代執行によるゴミ屋敷の強制撤去は簡単に行ってもらえるものではありません。
その理由は、法的に強制することが難しいことや、自治体が立て替えた費用の回収ができないケースが多いからです。
もし自治体が動いてくれたとしても、問題解決するまで長期化すると認識しておくのが良いでしょう。
2024年1月時点でゴミ屋敷に関する条例を整備している自治体は以下の通りです。
<ゴミ屋敷に関する条例を整備している自治体>
東京都 | 荒川区、足立区、新宿区、豊島区、品川区、世田谷区、中野区、練馬区、八王子市 |
神奈川県 | 横浜市、横須賀市、鎌倉市 |
埼玉県 | 八潮市、草加市、三芳町 |
大阪府 | 大阪市、泉佐野市 |
愛知県 | 豊田市、名古屋市、蒲郡市、豊橋市 |
京都府 | 京都市 |
秋田県 | 秋田市 |
※ゴミ屋敷に関する条例が変更されている恐れがあるため、お住まいの地域を管轄する自治体へお問い合わせしてみてください。
ゴミ屋敷に関する条例がない自治体では、どのように対処していけば良いのでしょうか?ここでは、対処法について詳しく解説します。
マンションやアパートなどの集合住宅に住んでいて、ゴミ屋敷の被害に悩んでいる場合は管理会社や大家へ相談をしてみてください。
管理会社や大家は、所有物件で問題が発生していたら、マンション経営に大きな影響が出るため無視はできません。
安定した不動産経営をするためにも、解決に乗り出してくれるでしょう。
住民が話し合うよりも、マンション管理会社や大家が説得する方が近隣トラブルにならずに済みます。
そのため、集合住宅に住んでいてゴミ屋敷に悩んでいる場合は、マンション管理者や大家に相談するようにしましょう。
近隣のゴミ屋敷から被害を受けていると自治体へ相談すれば、何らかの対応はしてくれます。
例えば、ゴミ屋敷に住んでいる人を説得してくれたり、片付け業者を紹介してくれたりするでしょう。
しかし、どのような対応をしてくれるかは自治体によって異なります。
そのため、お住まいの地域を管轄する自治体に相談をしてみてください。
近隣のゴミ屋敷に悩んだら、警察や消防署に状況を伝えておきましょう。
ゴミ屋敷を放置しておくと「火災」「害虫・悪臭」「空き巣」などの被害や事件が起きやすくなります。
このような問題が起きたときに、速やかに対処してもらえれば、被害を最小限に抑えられます。
そのため、ゴミ屋敷による被害に不安を感じたら、警察や消防署に事前に伝えておくようにしましょう。
近隣のゴミ屋敷により具体的な被害が出ている場合は、弁護士に相談するのも1つの方法です。
弁護士に依頼できるのは、被害が出ていることが前提となります。
例えば、外に放り出されているゴミが近隣住民の私有地まで広がっている場合などの被害が出ていなければいけません。
どのような被害が出ているか証拠を集めておけば、話がスムーズに進み、損害賠償金が請求しやすくなります。
そのため、損害賠償や問題を解決したい場合は弁護士に相談をしてみましょう。
残念ながら、民法ではゴミ屋敷に関する記載はありません。
部屋にゴミを溜めていても、個人の自由と尊重されているため、近隣の住民が勝手に片付けることはできません。
しかし、ゴミ屋敷を放置しておくと「火災リスク」「空き巣リスク」「近隣トラブルのリスク」などが出てきます。
大きなトラブルに発展する前に、一部の自治体では勢力を上げて問題解決に取り組んでいます。
今後は、ゴミ屋敷の問題を積極的に解決していく自治体が増えていくことでしょう。
友人や家族がゴミ屋敷に住んでいる場合は、行政代執行になる前に片付けさせることをおすすめします。
その理由は近隣住民と良好な関係を築けなくなる恐れがあるためです。
また、行政代執行で高額な片付け費用を支払うより、専門業者に依頼したほうが安くゴミ屋敷を片付けられます。
ぜひ、行政代執行になる前に、ゴミ屋敷の片付け業者「粗大ゴミ回収隊」までお問い合わせください。
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