遺品整理はいつから始める？最適なタイミングと実施における注意点

この記事では、遺品整理をいつから始めるべきなのか、最適なタイミングについてまとめています。遺品整理を始めるタイミングに明確な正解はありませんが、特定の時期までに済ませた方がよいケースも多々あります。

気持ちの整理が付いたら、状況に応じて遺品整理を進めていきましょう。最適とされるタイミングや実施時の注意点を解説するため、これから遺品整理を控えている方、将来に備えておきたい方は参考にしてください。

遺品整理の最適なタイミング5選

遺品整理を実施すべき最適なタイミングを5つ紹介します。実施タイミングに明確な正解はないものの、いつから実施すべきか予定を立てておかなければ、中々始める気力も湧かないものです。

気持ちの整理がついてから実施するのもよいですが、以下のタイミングも参考にしてください。

葬儀後

遺品整理を始めるタイミングとしてもっとも早いのが、故人の葬儀後です。亡くなった日を1日目とすると、通夜が2日目の夜、3日目に葬儀・告別式を執り行うのが一般的のため、この後に遺品整理を実施するイメージになります。

葬儀後は遠方からの親族も多く集まっており、遺品整理の段取りや相続についての話し合いを進めやすいです。心の整理を付けられているのであれば、このタイミングで遺品整理を実施しましょう。

保険などの各種手続き後

亡くなってから14日以内には、社会保険や年金に関する手続きも必要です。資格喪失届の提出や年金の受給停止手続きなど、役所をまわって行わなければならず多少の手間がかかります。

そのため、これらの手続きを終えてひと段落したタイミングで遺品整理に取り掛かるのもおすすめです。

四十九日の法要後

故人の命日から数えて49日目に執り行うのが、四十九日の法要です。この四十九日の法要をもって一区切りとして、その後に遺品整理を進めるケースも多いです。

葬儀後と同様、四十九日の法要も親族が多く集まる機会のため、スムーズに遺品整理を実施できます。

相続放棄の期限前

故人の遺産相続時、すべての遺産を相続しない「相続放棄」も選択できます。借金などの負債相続や、相続税の負担回避のために取られる選択肢ですが、この相続放棄の申告期限は被相続人が亡くなってから3ヶ月以内と定められています。

遺産を相続すべきかどうか、負債額やプラスの財産額を調べた上で、期限までに慎重に決断しなければなりません。

この相続放棄は遺品整理を実施すると認められないケースがあるため、遺品整理をやると決めたら相続放棄の申告期限前に実施しておきましょう。

相続税の申告期限前

故人から相続した遺産が非課税枠を超えていた場合、相続人には相続税が発生します。相続性の申告・納税は被相続人が亡くなってから10ヶ月以内と定められており、期限を過ぎると延滞税などのペナルティが課されます。

そのため、遺産を相続すると決めたら相続税の申告期限前までに遺品整理を実施して、遺産の評価総額を正確に把握しておきましょう。

とくに土地・建物などの不動産は評価額を知るために査定も必要なため、ある程度の時間を要します。申告期限前に間に合うように、余裕を持って遺品整理できるのが望ましいです。

遺品整理を早めに進めた方がよいケース

遺品整理はいつから始めても法的には問題ありませんが、早めに進めなければ遺族にとってデメリットとなる場合もあります。

以下のケースに当てはまる場合には、遺族の負担となる前に急ぎ遺品整理を進めましょう。

故人が借家に住んでいる

故人が一人で借家に住んでいた場合、遺品整理を早めに済まさなければ賃貸料が発生し続けます。

賃貸借契約や公共料金は故人の死亡によって解消されないため、これらの支払い責任は遺産相続人が引き継ぐ形になります。

そのため、無駄にかかる賃貸料を抑えられるためにも早急な作業が求められるのです。

遺品にレンタル品がある

店舗で借りているDVDや、故人が勤務先から借りていたパソコンなど、遺品の中にレンタル品がある場合は遺族が代わりに返却しなければなりません。

レンタル品の返却が遅れると、延滞金が発生したり相手に迷惑をかける恐れもあり、その責任は遺族が負うことになります。

遺品整理を進めてみなければレンタル品を発見できないケースも多いため、早急に遺品整理に取り掛かってのリスク回避が重要です。

故人がサブスクサービスを利用していた

近年は月額・年額課金型のサブスクサービスも主流ですが、故人がこのサービスに契約していた場合は更新費用の発生前に解約手続きを済ませる必要があります。

そのためには、故人が所有するデジタル遺品を整理しなければなりません。スマートフォンが普及した現代においては、このデジタル遺品の問題は重要です。

気づかないうちに多額の契約費用を負担させられる事態とならないよう、デジタル遺品の整理や契約解除措置は早めにとりましょう。

家屋が荒れている

故人が住んでいた家屋が荒れている場合は、なるべく早めに遺品整理を進めましょう。ゴミが散乱して不衛生なのはもちろん、火災や空き巣のリスクも同時に高まります。

場合によっては近隣住民の迷惑にもなるため、トラブルに発展する前に対策することが重要です。

孤独死などの事情がある

孤独死でしばらく気づかれず、遺体の腐敗が進行している場合は、家屋のハウスクリーニングを早急に行わなければなりません。

放置していると家屋内の衛生環境がひどく悪化するだけでなく、臭気が外へも漏れ出して周辺にも被害が及びます。

孤独死などの特殊な事情がある時は、気がついた時点で遺品整理やハウスクリーニングにすぐ取り掛かりましょう。

遺品整理実施時の注意点

遺品整理を実施する際の注意点を紹介します。いつから始めるかタイミングを決めることも重要ですが、やり方によっては後悔する遺品整理になるかもしれません。

遺品整理の時期を迎えたら、以下の点を押さえて慎重に動きましょう。

相続放棄するなら遺品整理はしてはいけない

相続税で負担になりたくない、故人が残した負債まで相続したくないようなケースにおいて、遺族は相続放棄という手段を選択できます。

しかし、遺品整理を進めてしまうと相続の意思があるとみなされて、相続放棄が認められない可能性があります。

遺族にとってマイナスの財産も相続する必要が出てくるので、この事態を避けるためにも遺品整理は実施しないでおきましょう。

ただし、以下の状況では例外的に相続放棄に関係なく遺品整理が認められる場合があります。

相続放棄時は、状況を確認の上で遺品整理の有無を慎重に判断してください。

いつから始めるかは親族間で話し合って決める

いつから遺品整理を始めるのかは、必ず親族間で話し合った上で決めましょう。誰かが独断で遺品整理を進めてしまうと、財産の相続に関して親族間でトラブルが起こる可能性が高いです。

遺品整理において親族間の相続トラブルはとても多い事例のため、滞りなく遺品整理を進めるためにも事前の話し合いは大切です。

開始時期を話し合うと同時に、参加者や役割分担、業者依頼について決めておき遺品整理をスムーズに実施してください。

遺言書を確認の上相続や仕分けを実施する

遺品整理を始める際は遺言書の有無を確認して、ある場合は遺言書に基づいて相続や仕分けを実施してください。

要件を満たして作成された遺言書は法的効力を持つため、内容に従って遺品整理を実施しなければなりません。

遺言書が残っていた方が相続トラブルもなくスムーズに進められるので、作業前には必ず確認しましょう。

法的効力を持つ遺言書がなくても、故人がエンディングノート等で財産についての要望を残している場合には意思を尊重する形での作業をおすすめします。

なるべく早く済ませたいなら業者への依頼も検討する

遺品整理を早く済ませたい状況の場合は、無理に自分たちだけで進めようとはせず、業者依頼も検討しておきましょう。

遺品整理業者であれば作業スピードも早く、豊富な実績に基づいて的確に仕分けや不用品の処分を進めてもらえます。

孤独死で荒れた部屋のハウスクリーニングも、清掃可能な業者に依頼することで自分たちの労力もかけずに解決可能です。

依頼の際は、相場に見合う適切な価格でサービスを提供する優良業者を選択してください。

遺品整理のおすすめ業者については、こちらの記事でも紹介しています。

遺品整理が遅くなりすぎるデメリット

遺品整理はいつから始めてもよいですが、遅くなり過ぎると以下のようなデメリットも考えられます。

これらの問題は遺族にとってすべてデメリットで、中には金銭的な負担を強いられるものもあります。

最近はスマートフォンなどのデジタル遺品の整理が疎かになり、サブスクサービスを解約できていないまま費用が発生し続ける問題も深刻です。

家屋の掃除や不用品処分は手間でも、デジタル遺品や貴重品に関する遺品整理は先んじて行うなど、少しでも負担とならないための工夫も重要です。遅くなりすぎないうちに、遺品整理は実施しましょう。

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