解体時のアスベスト調査・除去・処分費用に使える補助金まるわかりガイド
2025.09.07
本記事では、解体時のアスベスト調査・除去・処分費用にかかる補助金制度を紹介。
解体時はアスベストの事前調査が必要であり、建材等に石綿が含まれていれば除去工事が必要です。
アスベストの有無の調査だけでも数万円単位の負担が発生するため、補助金制度のチェックが欠かせません。
自治体によって条件や補助額が異なるほか、手順を間違えると補助金を利用できないこともあります。
記事を参考にして適切に手続きを進めましょう。
目次
解体時のアスベスト調査・除去・処分に使える補助金制度
大気汚染防止法により、建築物解体の際には「特定建築材料」の使用の有無について、建築物石綿含有建材調査者などの資格者による事前調査の実施が義務付けられています。
特定建築材料とは、以下のアスベスト(石綿)を含む材料を指します。
- 吹付け石綿
- 石綿を含有する断熱材、保温材及び耐火被覆材
- 石綿含有成型板など
- 石綿含有仕上塗材(質量の0.1%超の石綿が含まれるもの)
調査を実施するのは、工事の元請業者または自主施工者です。
工事発注者には、調査費用の負担と調査への協力が義務付けられており、補助金制度が設けられています。
国と自治体による補助金制度があり、国の補助金は、補助金制度を設けている自治体で利用可能です。
制度の有無や条件、補助額などは自治体によって異なります。
補助金制度の有無を含めて、必ず事前に建築物の管轄窓口へ相談してください。
アスベスト調査費用の補助金制度
アスベストを含む材料が使われていないか、資格者による解体前の調査実施を支援するための制度について見ていきましょう。
東京都では以下の自治体で制度を設けています。
東京都のアスベスト調査費用の補助金制度
自治体名 | 補助制度の名称 | 補助額 | 上限額 |
---|---|---|---|
千代田区 | アスベスト含有調査助成 | 25万円/棟まで | 25万円 |
港区 | 港区アスベスト対策費助成 | 費用の1/2 | 10万円 |
新宿区 | 吹付けアスベスト含有調査費助成 | 費用の10/10 | 25万円 |
吹付けアスベスト調査員派遣 | 無料 | – | |
文京区 | アスベスト調査分析専門員派遣事業 | 無料 | – |
アスベスト調査費助成 | 費用の1/2 | 10万円 | |
墨田区 | 民間建築物アスベスト確認調査助成金 | 費用の1/2 | 10万円 |
江東区 | 江東区アスベスト分析調査助成 | 費用の1/2 | 10万円 |
品川区 | アスベスト分析調査助成 | 費用の10/10 | 5万円 |
石綿等使用状況調査 | 無料 | – | |
目黒区 | 目黒区アスベスト調査助成 | 費用の1/2 | 10万円 |
大田区 | 大田区アスベスト分析調査費助成 | 費用の1/2 | 10万円 |
世田谷区 | 世田谷区民間建築物アスベスト含有調査助成 | 25万円/棟まで | 25万円 |
杉並区 | 杉並区アスベスト分析調査費補助事業 | 費用の1/2 | 5万円 |
豊島区 | 豊島区アスベスト分析調査助成金交付事業 | 費用の1/2 | 10万円 |
荒川区 | 荒川区建築物石綿分析調査費助成 | 費用の1/2 | 10万円 |
板橋区 | 板橋区アスベスト分析調査費補助金 | 費用の10/10 | 5万円 |
練馬区 | 練馬区建築物等アスベスト調査費用助成 | 費用の1/2 | 5万円 |
足立区 | 足立区アスベスト分析調査助成制度 | 費用の1/2 | 10万円 |
葛飾区 | 葛飾区民間建築物アスベスト調査助成 | 費用の1/2 | 10万円 |
江戸川区 | 江戸川区アスベスト調査費助成金 | 費用の1/2 | 10万円 |
※2025年9月現在
上記のとおり、おおむね費用の半額から全額の補助を受けられます。
補助額や上限額、補助枠、対象となる建物の条件なども自治体ごとに設定されています。
制度名が異なるため、Webで検索する際は注意が必要です。
アスベスト除去・処分費用の補助金制度
アスベストの除去・処分工事にかかる費用を補助する制度について解説します。
アスベストを含む材料が使われている場合は、解体前の除去・処分作業が必要です。東京都では、以下の自治体で補助制度を設けています。
東京都のアスベスト除去・処分費用の補助金制度
自治体名 | 補助制度の名称 | 補助額 | 上限額 |
---|---|---|---|
港区 | 港区アスベスト対策費助成 | 1/2 | ・戸建:50万円 ・共同住宅等:200万円 |
新宿区 | 吹付けアスベスト除去等工事費助成 | 2/3 | ・戸建:50万円 ・分譲マンション等:300万円 |
文京区 | 吹付けアスベスト等除去工事費助成 | ・戸建: 2/3 ・集合住宅等: 2/3〜5/6 |
・戸建:200万円 ・分譲マンション等:400~500万円 |
台東区 | 民間建築物アスベスト対策費助成 | 1/2 | ・住宅:30万円 ・共同住宅:100万円 |
品川区 | アスベスト除去等助成 | 2/3 | ・戸建:50万円 ・共同住宅等:100万円 |
目黒区 | 住宅リフォーム資金助成 | 工事費の10% | 20万円 |
大田区 | 住宅リフォーム助成事業(アスベスト除去工事) | 工事費の10% | 20~50万円 |
葛飾区 | 民間建築物アスベスト対策助成 | ・住宅等: 1/2 ・共同住宅: 1/2 |
・住宅等:30万円 ・共同住宅:100万円 |
府中市 | 吹付けアスベスト等飛散防止対策促進事業助成 | 1,000㎡以上:19/24その他:1/2 | 100万円 |
※2025年9月現在
上記のとおり上限はあるものの、費用の半額から2/3程度の補助金をもらえる可能性があります。
自治体ごとに、補助対象となる建物の要件などが定められており、該当していれば申請可能です。
一部、補助枠を2件から5件に設定している自治体もあります。事前に確認しておきましょう。
家の解体費用に使える補助金制度もあります。以下の解説記事も、コスト低減にお役立てください。
解体時のアスベスト調査・除去・処分の費用相場
解体時のアスベスト調査や除去、処分にどれくらいの負担が発生するのか、費用相場を見ていきましょう。
アスベスト調査の費用相場
アスベスト調査の費用相場は、以下のとおりです。
項目 | 費用相場(税込) | 備考 |
---|---|---|
アスベスト事前調査(書面調査) | 3万〜5万円/件 | ・図面・資料による一次判定 ・現地での目視調査(採取なし) |
アスベスト事前調査(現地採取・分析あり) | 5万〜15万円/件 | サンプリング数や建物規模により変動 |
※2025年9月現在
書面調査・目視調査のみで済めば、費用相場は3~5万円ほどです。
書面と目視のみでは判別できない場合は、分析調査が必要となり、5~15万円の費用負担が発生します。
分析調査をしない場合は、石綿を含有するものとして扱われるため、除去・処分作業が必要となります。
アスベスト除去・処分の費用相場
アスベスト除去・処分にかかる費用相場は、以下のとおりです。
項目 | 費用相場(税込) | 備考 |
---|---|---|
レベル1除去(吹き付けアスベスト) | 12万〜20万円/㎡ | 養生・負圧集じん・廃棄費用含む |
レベル2除去(アスベスト含有断熱材等) | 6万〜12万円/㎡ | 断熱材・保温材・耐火被覆材など |
レベル3除去(成型板などの切断・撤去) | 3千円〜7千円/㎡ | スレート・ケイカル板など |
アスベスト廃棄物の運搬・処分費 | 5万〜15万円/t | 中間処理施設までの運搬距離や処分単価で変動 |
アスベスト除去については、上記のとおり使われている材料の発じん性によって危険度レベルが分類されており、費用相場も処理の難易度の高さに応じて高額になります。
アスベスト除去費用の目安や安く抑える方法について詳しくは、以下の記事も参考にしてください。
家の解体費用相場についてまとめた記事も、あわせてご覧ください。
解体時のアスベスト調査・除去・処分費用の補助金申請
解体時のアスベスト調査や除去・処分費用の補助金申請手続きについて、詳しく見ていきましょう。
補助金申請の流れ
補助金・助成金を申請する際の代表的な流れの一例は以下の通りです。
- 窓口への事前相談
- 申請手続き
- 審査・調査
- 承認通知
- 調査または工事の着手
- 調査または工事完了届の提出
- 補助金交付決定通知
- 交付請求書の提出
- 補助金・助成金の交付
補助金制度の有無の確認や要件詳細、予算が残っているかなど、担当窓口への事前確認が必要です。
補助金申請に必要な書類一覧
解体に伴うアスベスト関連の補助金申請では、一般的に以下のような書類提出を求められます。
- 補助金交付申請書
- 解体する建物の図面や位置図、配置図
- 現況写真
- 建物の登記事項証明書
- アスベスト調査や除去・処分費用の見積書
自治体によって、必要書類が異なる場合があります。担当窓口で確認のうえ、不備のないように準備してください。
申請から交付までの期間の目安
解体に伴うアスベスト補助金は、申請から実際に交付されるまで1ヶ月以上を要します。
事前申請後、審査の承認を受けてからの着工となり、工事完了の届け出や請求書の提出などを経て交付となるため、数ヶ月かかる場合もあります。
アスベスト調査・除去・処分で補助金を利用する際の注意点
アスベストの補助金を利用する場合は、以下の点に注意が必要です。
事前申請が必要
申請前にアスベスト調査や除去、処分を進めてしまうと、補助金を利用できません。必ず、事前に窓口で相談してから手続きを始めましょう。
予算がなくなり次第終了
自治体ごとに補助金の予算や助成枠が設定されており、補助枠を超えると当該年度の補助金制度の受付も終了します。
解体の予定がある場合は、早めに相談すると安心です。
補助費用は経費の一部かつ上限あり
補助金で交付される額は、調査や除去・処分にかかる費用の一部で、上限も設定されています。
アスベスト調査では満額補助してくれるケースもありますが、自治体によって大きく異なるため、事前に確認しておきましょう。
補助金の支払いは業者への精算後
補助金の交付は、解体工事後に完了届や交付請求を済ませた後です。交付請求から実際に支払われるまでには、1ヶ月前後かかります。
多くの自治体では、いったん業者に全額を支払った後に補助金が交付されます。
解体時のアスベスト調査・除去・処分の補助金事例
解体時のアスベスト調査と、除去・処分費用の補助金制度の具体例を紹介します。
墨田区|アスベスト調査費用補助金の事例
アスベスト調査費用補助金の一例として、墨田区の制度概要を見てみましょう。
制度名 | 民間建築物アスベスト確認調査助成金 |
---|---|
内容 | 吹付け石綿またはアスベスト含有のおそれがある吹付けロックウールに関する分析調査費用を助成 (調査後は助成対象外) |
助成対象 | ・区内に建築物を有する個人 ・区内にある分譲マンションの管理組合・ 区内にある分譲マンションの管理組合 ・区内に建築物を有する中小企業者、学校法人、社会福祉法人、医療法人等 |
補助額 | 分析調査費用の半額(消費税を除く) |
補助額上限 | 10万円 |
申請受付期間 | 令和8年1月31日まで(予算がなくなり次第終了) |
担当窓口 | 墨田区資源環境部環境保全課指導調査担当 電話:03-5608-6210(直通) |
墨田区では、アスベストの分析調査についてのみ、補助金を交付しています。
書面調査や目視調査についての補助金制度は、執筆時点ではありませんでした。
葛飾区|アスベスト除去・処分費用補助金の事例
アスベスト除去・処分費用補助金の一例として、葛飾区の制度概要を紹介します。
制度名 | 民間建築物アスベスト対策助成制度 |
---|---|
内容 | 民間建築物におけるアスベストの飛散防止のための工事にかかる費用の一部を助成 (アスベスト含有の吸音板やスレートなどの建材の処分にかかる費用は助成対象) |
助成対象となる建物 | 葛飾区内の建築物のうち、屋外または屋内においてアスベストを含有する吹付け材(外壁の仕上げを除く)が使用された、住宅または兼用住宅、共同住宅 |
対象となる経費 | 建築物の屋外または屋内のアスベストを含有する吹付け材に対する以下の工事にかかる費用 ・除去工事 ・封じ込め工事 ・囲い込み工事 ・除去・処分に伴い必要な工事 |
助成金 | ・住宅・兼用住宅:経費の1/2相当(上限:30万円) ・共同住宅:経費の1/2相当(上限:100万円) |
申請受付期間 | 令和7年11月28日まで |
担当窓口 | 墨田区資源環境部環境保全課指導調査担当 電話:03-5608-6210(直通) |
葛飾区では、アスベスト含有の吹付け材の除去・処分にかかる費用の半額相当を助成しています。
アスベストを含む建材等の除去・処分費用は対象外です。
解体においては、アスベスト含有吹付け材の除去工事と、除去に伴い必要となる工事費用が補助金交付の対象となります。
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解体前のアスベスト調査や、除去・処分はもちろん、解体工事や不用品回収においても、法令に基づいた適切な作業や対応が欠かせません。
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アスベストの調査・除去・処分費用についてのよくある質問
-
Q アスベスト調査には必ず補助金が使えるのですか?
A.すべての自治体で補助金制度があるわけではありません。補助金を設けている自治体は一都三県の一部に限られ、金額や対象範囲も異なります。まずはお住まいの自治体のホームページで最新の制度を確認することが重要です。 -
Q 補助金申請はいつまでに行えばよいですか?
A.ほとんどの自治体では「工事前の事前申請」が必須です。着工後では申請が認められないケースが多いため、解体業者や調査業者に依頼する前に申請手続きを進める必要があります。申請期限は自治体によって異なるため、早めの確認が安心です。 -
Q 補助金を利用すると解体費用は大幅に安くなりますか?
A.補助金はあくまで経費の一部を助成するもので、費用の全額が補填されるわけではありません。
限度額や補助率には上限があり、たとえば数十万円の補助でも全体費用の数割程度にとどまるケースが多いです。そのため、複数の業者から相見積もりを取り、補助金と合わせてトータルで費用を抑えるのが現実的な方法です。