2021年06月14日
賃貸経営をしている不動産オーナーを悩ます問題として、ゴミ屋敷の入居者問題が挙げられます。ゴミ屋敷を理由に入居者を追い出すことはできるのでしょうか?
この記事では、ゴミ屋敷を理由に入居者を追い出す手順と注意点について分かりやすく解説します。
記事の目次
ゴミ屋敷の入居者にお困りの不動産オーナーは、ゴミ屋敷を理由に入居者を追い出すことができるのでしょうか?ここでは、ゴミ屋敷の入居者を追い出すことができるのかについて分かりやすく解説します。
不動産オーナーは、ゴミ屋敷の入居者に立ち退きを求めることができます。借主は部屋を自由に使用できるわけではなく、賃貸契約に定められた範囲で使用できます。また、不動産管理会社は部屋を貸主に明け渡すまでに、部屋を適切に保管する義務があるのです。部屋をゴミ屋敷にしてしまう行為は、管理義務に違反しているため、不動産オーナーはゴミ屋敷を理由に立ち退きを求めることが可能です。
【ゴミ屋敷の入居者を追い出す方法】
ゴミ屋敷の入居者を追い出す手順は、上記の通りです。入居者が立ち退きに応じない場合は、弁護士に相談をしたり、裁判所で手続きをしたりしなければいけません。
部屋を貸す以上は、適切な部屋の状態を維持する義務があります。しかし、入居者側がゴミ屋敷にして、害虫や悪臭が発生した場合は義務に違反することになります。そのため、損害賠償金を請求することができるのです。しかし、損害賠償金の請求も入居者が応じなければ意味がありません。
入居者が損害賠償金の請求に応じない場合は、裁判を起こすことになります。裁判で判決が下されば、損害賠償金が請求できますが、時間と労力がかかります。
ゴミ屋敷を理由に入居者を退去させることができても、安心してはいけません。ゴミ屋敷が原因で汚れてしまった壁や床は、貸主側が負担するケースが多いです。入居者に支払能力がない場合、引越し費用と原状回復費は大きな負担となるものです。
従って、原状回復費は貸主側が支払うケースが多くなっています。入居者を追い出すことはできても、原状回復しなければいけないという問題が発生してしまうのです。
ゴミ屋敷の入居者の退去は想像以上に難しいです。しかし、ゴミ屋敷を放置しておくと「害虫」「悪臭」「火災」「近隣住民の退去」など、さまざまな被害が出てきます。そのため、ゴミ屋敷を放置するデメリットについて理解をしておき対処しましょう。ここでは、ゴミ屋敷を放置する4つのデメリットをご紹介します。
ゴミ屋敷化すると多種多様な害虫が湧きます。例えば、アシタカグモやヒメマルカツオブシムシなどが大量発生するかもしれません。また、滅多に見ることがない白色のゴキブリが出てくることもあるでしょう。
このような害虫は、見た目が気持ち悪いだけではなく、身体の血を吸うなど健康被害を及ぼします。また、他の部屋に移動するため、被害は近隣住民にも及びます。近隣住民からクレームが発生する前に、ゴミ屋敷問題を解決しましょう。
ゴミ屋敷の問題として、ニオイの問題は欠かせません。コンビニ弁当やペットボトル、食べ残しや飲み残しは悪臭の原因になります。このような悪臭は、誰も嗅ぎたくないものです。悪臭は、ゴミ屋敷の入居者だけではなく、近隣住民にも被害を及ぼします。そのため、速やかにゴミ屋敷の問題を解決しましょう。
ゴミ屋敷は、大量のゴミが溢れているため、少しの火種で炎が燃え広がってしまいます。タバコの火の不始末や、ストーブからの出火、トラッキングなどのさまざまな理由で火災が起きます。建物が全焼してしまうと、大きな損失を招いてしまうため、ゴミ屋敷を放置しないようにしましょう。
ゴミ屋敷は悪臭が漂います。また、ゴミを好む多種多様な害虫が湧きます。部屋を漂う悪臭や湧いてくる害虫は、ゴミ屋敷の入居者だけの問題ではなく、近隣住民も被害に遭っています。
さまざまな害虫が出てきて気持ち悪いと退去を希望される方が増えてしまうかもしれません。近隣住民の方が退去してしまうと、賃貸経営に大きな影響が出てしまうでしょう。従って、大きな損失を被る前に、ゴミ屋敷の問題を解決しましょう。
ゴミ屋敷の入居者を追い出す際は、気をつけなければいけないことがあります。ここでは、ゴミ屋敷の入居者を追い出す際の注意点をご紹介します。
ゴミ屋敷の入居者を追い出すために、外出中に鍵を交換すると違法行為(住居侵入罪・窃盗罪)に該当します。下記の刑罰が科せられるため、気をつけてください。
住居侵入罪…3年以下の懲役または10万円以下の罰金
窃盗罪…10年以下の懲役または50万円以下の罰金
そのため、入居者の外出中に鍵交換をするのは辞めましょう。
入居者のゴミを勝手に処分することはできません。絶対に必要ないと思われる物にも所有権が発生します。所有権が発生しているゴミを勝手に処分すると、器物損壊罪が問われてしまいます。
器物損壊罪…3年以下の懲役または30万円以下に罰金
そのため、入居者の部屋のゴミを勝手に処分しないようにしましょう。
ゴミ屋敷の入居者と話し合いができず、玄関の扉などに「ゴミ処分をお願いします」と張り紙を貼る行為もしてはいけません。このような行為は、名誉棄損罪や侮辱罪に該当するため、気を付けてください。
名誉棄損罪…3年以下の懲役または50万円以下の罰金
侮辱罪…拘留または科料
そのため、玄関扉に貼り紙を貼るのは辞めましょう。
部屋から追い出すために「部屋から出て行かない場合は、電気・水道・ガスを止めてやる」などのような脅迫行為はしてはいけません。このような行為は、脅迫罪に該当してしまいます。
脅迫罪…2年以下の懲役または30万円以下の罰金
従って、ライフラインを止めるなどの脅迫行為は控えましょう。
ゴミ屋敷の入居者に困っていても、住人の感情を過度に刺激しないように気を付けましょう。住人の感情を刺激してしまうと、大きなトラブルに発展しかねません。弁護士を付けて訴えられてしまう可能性もあります。そのため、可能な限り、円満に和解できるように努めましょう。
ゴミ屋敷による追い出しトラブルを起こさないことが大切です。このようなトラブルを招かないために、どうすれば良いのでしょうか?ここでは、トラブルを未然に防ぐ方法をご紹介します。
入居者によるゴミ屋敷の問題を防止するために、入居審査は丁寧に行いましょう。入居審査で確認すべき項目は、入居者の支払能力、連帯保証人の支払能力、入居者の人柄です。態度が横柄ではないか、言葉遣いが乱暴ではないかを確認しましょう。入居後にトラブルを起こしそうな人かどうかを良く確認してください。
賃貸借契約書を締結する際に、特約を付けておくと、ゴミ屋敷の入居者の立ち退き請求がスムーズに行えます。特約に、ゴミ屋敷化して近隣住民にも悪影響を及ぼす場合は賃貸借契約を解除する旨を記載しましょう。また、立ち退き時の原状回復費用も借主負担としておけば、貸主側も安心して部屋を貸すことができるでしょう。
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今回は、ゴミ屋敷を理由に入居者に立ち退きを求められるかを解説しました。結論を説明すると、実際にゴミ屋敷の入居者に立ち退きしてもらうのは想像以上に難しいです。また、ゴミ屋敷を理由に入居者を退去させた場合、原状回復費は不動産オーナーが負担するケースが多いです。少しでも、負担を減らすためにも、ぜひ、格安の粗大ゴミ回収業者を利用してください。
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